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2009.10.29 Thursday
以下妄想。
キッス券は幼い弟が縁お兄ちゃんにあげたもの。
本当はそんな券なんてなくてもお兄ちゃんは幼望にキスばっかりしてたんだけど。
『絶望んところ、お兄ちゃんがキスしてくるなんて変なの~』
とか近所のクソガキに幼望が絡まれて(おにいちゃんがキスするのって変なんだ……だけど、嫌じゃないのに)変なことだと再確認。でも、それならば!と弟が思い至った結論はキスしても良いよv意思表示であるキッス券。あらゆる意味でYESNO枕。
お兄ちゃんは近所のクソガキに絡まれた望を心配して、もう二度望にキスするまい、愛ゆえの辛さに苦しんでいた。だけど、幼望からのしっかりとした意思表示におにいちゃん感激。滅茶苦茶喜ぶ。
お兄ちゃんがすげー喜んだから望は自分権を大量生産。結婚できる券とかも格安で配りだす。お兄ちゃんは色々な人に券を配りだす望を、独り占めできないがゆえにちょっと複雑な気分で見守っている。
キッス券を大切にとっておきたい反面、自分権を配り歩く弟に対して、裏切られたような気がするのも事実。
唯一の心の支えは一番最初にくれたキッス券は自分のものだという紛れもない事実。
だから、望がキッス券をくれた日に買った新刊の推理小説にキッス券を滑り込ませた。他の人は気が付かないだろう。だけど、自分だけが知っている。この日に望が誰よりも早く自分のためにくれた券を。
月日は流れ去り、キッス券を思い返すことも少なくなった。
だけど、その推理小説を捨てなかった。本を手に取るたびに、幼い日のことを思い出す。苦くもあるけれども、捨てられない大切な思い出。
更に大人になったある冬の日。兄は家を飛び出す決意をした。
弟への愛情よりも思春期特有の潔癖な自己心が打ち勝っってしまった。
大切なものだけ鞄につめる。自分の書斎を舐めるように見つめる。もう二度とここには戻らないかもしれない。申し訳なさとそれでも自分は正しいいうだれに向けたのでもない強い怒りでいっぱいになって眼に入ってくる全てを正しく判断できない。
推理小説の棚も見た。
だけど。兄はなにも感じなかった。
膨大な量の本をお手伝いさんは良く確かめもせずに捨てた。貴重な本も沢山あったから、転売されて古本屋で眠っていた。
久藤君が古本を手に取る。何か挟まっているのに気が付く。
キッス券。
何がなんだか分からないけれども、あの人に会いに行こう。名前が書いてあるのだから。久藤准はそう思う。
時刻を同じくして、本屋でお兄さんはシドニー・シェルダンの棚で立ち尽くす。家を出て行った日からずっと忘れていたことを彼は思い出す。弟からのプレゼントを家に置き忘れて自分は外に出てきてしまったこと、それを何年も思い出さなかったこと。それらに彼はショックで声が出ない。望、望。と、彼の息子に良く似た弟の名前を繰り返し呟く。
久藤准は先生に会った。券を渡した。だけど、大切なことは何も言わなかった。
挟まれた本の中身を見せることもしなかった。
そして、券の正当な権利を主張することもしなかった。
その本が涙の跡でよれていることや、その本の発行日に鉛筆で大きく丸されていること。そして、古ぼけたこの券は自分ではない他の誰かのためにあるということに気がついたから。
今日だけはこの先生の唇は自分のものではなく、他の、この券を受け取って泣いただれかのためだと気が付いたから。
以上妄想。
キッス券は幼い弟が縁お兄ちゃんにあげたもの。
本当はそんな券なんてなくてもお兄ちゃんは幼望にキスばっかりしてたんだけど。
『絶望んところ、お兄ちゃんがキスしてくるなんて変なの~』
とか近所のクソガキに幼望が絡まれて(おにいちゃんがキスするのって変なんだ……だけど、嫌じゃないのに)変なことだと再確認。でも、それならば!と弟が思い至った結論はキスしても良いよv意思表示であるキッス券。あらゆる意味でYESNO枕。
お兄ちゃんは近所のクソガキに絡まれた望を心配して、もう二度望にキスするまい、愛ゆえの辛さに苦しんでいた。だけど、幼望からのしっかりとした意思表示におにいちゃん感激。滅茶苦茶喜ぶ。
お兄ちゃんがすげー喜んだから望は自分権を大量生産。結婚できる券とかも格安で配りだす。お兄ちゃんは色々な人に券を配りだす望を、独り占めできないがゆえにちょっと複雑な気分で見守っている。
キッス券を大切にとっておきたい反面、自分権を配り歩く弟に対して、裏切られたような気がするのも事実。
唯一の心の支えは一番最初にくれたキッス券は自分のものだという紛れもない事実。
だから、望がキッス券をくれた日に買った新刊の推理小説にキッス券を滑り込ませた。他の人は気が付かないだろう。だけど、自分だけが知っている。この日に望が誰よりも早く自分のためにくれた券を。
月日は流れ去り、キッス券を思い返すことも少なくなった。
だけど、その推理小説を捨てなかった。本を手に取るたびに、幼い日のことを思い出す。苦くもあるけれども、捨てられない大切な思い出。
更に大人になったある冬の日。兄は家を飛び出す決意をした。
弟への愛情よりも思春期特有の潔癖な自己心が打ち勝っってしまった。
大切なものだけ鞄につめる。自分の書斎を舐めるように見つめる。もう二度とここには戻らないかもしれない。申し訳なさとそれでも自分は正しいいうだれに向けたのでもない強い怒りでいっぱいになって眼に入ってくる全てを正しく判断できない。
推理小説の棚も見た。
だけど。兄はなにも感じなかった。
膨大な量の本をお手伝いさんは良く確かめもせずに捨てた。貴重な本も沢山あったから、転売されて古本屋で眠っていた。
久藤君が古本を手に取る。何か挟まっているのに気が付く。
キッス券。
何がなんだか分からないけれども、あの人に会いに行こう。名前が書いてあるのだから。久藤准はそう思う。
時刻を同じくして、本屋でお兄さんはシドニー・シェルダンの棚で立ち尽くす。家を出て行った日からずっと忘れていたことを彼は思い出す。弟からのプレゼントを家に置き忘れて自分は外に出てきてしまったこと、それを何年も思い出さなかったこと。それらに彼はショックで声が出ない。望、望。と、彼の息子に良く似た弟の名前を繰り返し呟く。
久藤准は先生に会った。券を渡した。だけど、大切なことは何も言わなかった。
挟まれた本の中身を見せることもしなかった。
そして、券の正当な権利を主張することもしなかった。
その本が涙の跡でよれていることや、その本の発行日に鉛筆で大きく丸されていること。そして、古ぼけたこの券は自分ではない他の誰かのためにあるということに気がついたから。
今日だけはこの先生の唇は自分のものではなく、他の、この券を受け取って泣いただれかのためだと気が付いたから。
以上妄想。
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